
こんにちは!
以前、自然食レストランを取り上げた際、東浦町について気になった方もいるのではないでしょうか
今回は、なんと東浦町の神谷町長を取材させていただきました!
このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。
それでは、さっそく東浦町の魅力について見ていきましょう!
(※自然食レストランの詳細→ https://find-bm.com/feature/hikarinosato-farm/ )
目次
東浦町で農業を始めよう
→広報ひがしうら令和2年12月1日号の表紙。令和3年全国広報コンクールの入選作品。
詳細は東浦町HPより
まずは、東浦町の農業についてお話ししていきます。
東浦町では古くから農業が営まれ、丘陵などの地形やため池の水や温暖な気候を活かし、ぶどうやお米の栽培が盛んです。その中でも東浦町は県内有数のぶどうの産地で、巨峰を始めとする多くの品種が栽培されています。
最近では、農業を始めるために東浦町にやってきた方もいるそうです。
農家になるために東浦町へ
→広報ひがしうら令和2年12月1日号の特集より
最近では、農業に魅力を感じて就農したいという若者が増えています。農業人口が急減しているという現実を考えると、期待に胸が膨らみますね。
東浦町でもこのような動きが見られると神谷町長からお聞きしました。
あるぶどう農家さんが高齢になり農地を手放そうとしていた時に、農業大学校を卒業した若者が一宮市から東浦町にやってきたそうです。
これがきっかけで農家さんは若者のために農地を貸し、ぶどう栽培のノウハウを伝授し、そのまま若者が引き継ぐことになりました。
親族とは全く関係ない若者を後継者にするといった例は、かつてない斬新なエピソードだったそうです。
また、最近では若者がグループを作って農業を始める動きもあるそうですよ。
面白い風潮ですね。
実家が農家だから農業をやっているという話はよく聞きますが、最近では新たに始める方もいることを知りました。
これからの時代は、情報戦です。情報に強いのは若者の強みだと思います。情報処理やマーケティングを通して、農業に新たな価値を見出す時代になるのではないでしょうか。
担い手農家さんは50人ほど
昔から農業に適した土地柄の東浦町。しかし、大きな規模で取り組んでいる担い手農家さんは50人ほどだそうです。
では、東浦町の農業にはどのような特徴があるのでしょう。
神谷町長
東浦町では元々農地を持っている人が多いです。例えば、家族が食べられる量のお米を自分で作っている兼業農家さんもいたりしますね。
-どのような形で農業をやっていくか考えることも大切ですね。
神谷町長
そうですね。他にもトマトの水耕栽培をやっている農家さんは、補助金について熱心に研究していて、私たちよりも情報をたくさん持っています。
真剣に農業をやろうと思うと行政を頼るだけではやっていけません。
東浦町の農業の在り方は面白いですね。
実際に農家の方のお話も聞いてみたいと思ってしまうほど、面白いエピソードをたくさんお話ししてくださいました。
自然環境を守り続けている
出典:東浦町HPより「東浦で暮らす」
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/higashiura_kurasu/machi.html
続いて、東浦町の自然環境について見ていきましょう。
東浦町は自然と共存してゆったり暮らせる町です。
豊かな自然を残すための工夫として、「東浦自然環境学習の森」を取り上げてお話ししていきます。
東浦自然環境学習の森は残そう
出典:東浦町HPより「町長メッセージ」
東浦町で車を走らせていると自然が豊かなことが窺えますが、昔ながらの広い里山と呼ばれる場所はもうわずかしか残っていないそうです。
その中でも唯一残っている場所が「東浦自然環境学習の森」で、行政がこの場所を買い取ったと言います。
思い切ったことをしますね。
東浦自然環境学習の森は、自然環境が残る場所を各種団体と行政との協働で保全活動を行っており、自然と触れ合い親しむ場所としての環境づくりを目指しています。
例えば、今年の5月はニホンイシガメの放流イベントが開催され、多くの子どもたちとその家族が集まりました。
しかし、ここで注意しなければならないことは、“放流”は安易に行うのは危険であることです。
生き物の放流イベントは人気ですが、放流することに意味があるのではなく、生き物の育つ環境を作ることに意味があります。
東浦自然環境学習の森のコンセプトを大切にしながら、若い世代に関心が届くように工夫されているのですね。
※東浦自然環境学習の森について
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/kurashi/koen/mori/1454930926200.html
自然豊かなことに価値を置く
出典:東浦町HPより「東浦で暮らす」
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/higashiura_kurasu/kurasu.html
自然が豊かであることの価値は何でしょうか。
自然環境は景色や景観にも影響を及ぼします。
現在、地面はほとんどコンクリートですよね。これについて自然豊かか否かについては個人の美的感覚により異なりますが、自然と人間社会の折り合いをつける必要があると神谷町長はおっしゃっていました。
人間の手が加わったらどうなるのか、暮らしやすさとの調和は取れているのかを考える必要があると言います。
また、自然豊かな場所に身を置くことは、特に子どもたちにとって貴重な経験です。
学校でもやはり自然環境を活かした内容になっているので、自分の住む地域のことを知るきっかけにも繋がります。
自然とは厳しいものだけでなく、人がくつろげるような役割も果たすのですね。
東浦町はこのような環境が備わっている地域と言えます。
クリエイティブな発想で地域を変える
出典:東浦町HPより「おだいちゃん」
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/gyosei/gaiyo/odaichan/1477977996877.html
最後に、お役所らしさを感じさせない東浦町の取り組みをお話していきます。
東浦町の福祉はおもしろい
こちらの写真は「ひがしうらアクティブシニア応援ガイド~助さん~」に掲載されている通いの場マップです。
掃除や買い物などのお手伝いサービス、弁当・日用品などの配達をしてくれるお店、訪問・送迎サービスを実施してくれる理美容室など、生活を支援するための民間サービスや地域の活動をたくさん掲載しています。
実はこれ、社会福祉協議会の協力の下、東浦町のふくし課が製作した冊子なんです。地図と写真がセットになっていて、とてもわかりやすいですね。
行政も福祉のサービスを提供していますが、それだけでは補えないことが現状としてあります。
また、行政が提供する“福祉”は重いイメージを持たれることも多く、困ったことがあっても相談できない人もいます。
このようなクリエイティブな冊子なら、高齢者の方も気軽に手に取って目を通すことができますね。
東浦町では、公民連携を進めており、民間事業者との協定に基づき、行政が民間でサービスも発信しています。その結果、誰もが福祉に興味を持ってもらえるような取り組みとなっているのです。
神谷町長によると、コソコソと企画して最終段階で「これでやらせてください」と説明を受けることもあるとか。
福祉に関心を持ってもらうために真剣に考えていることがわかります。
職員の方の自主性を尊重することが新しいことを取り入れるために秘訣だとおっしゃっていました。
福祉の対象は障がい者や高齢者だけでなく、私たちのためにあるものです。
地域住民として自分事のように考えるために、“専門職”にこだわらず、“明るさ”や“おもしろさ”を追求しているのが東浦町の福祉の取り組みです。
〈備考〉社会福祉協議会とは民間の社会福祉機関を指し、地域福祉の推進や高齢者の在宅生活支援等の日常生活自立支援事業を行う。
参照:厚生労働省HPより「日常生活自立支援事業」
若者の声を聞きたい
また、平成30年度に、まちづくりに熱い思いを持った若者たちの交流の場をつくり、自由な視点や発想で行う活動を支援するため、「若者会議」の参加者を募集しました。
現在、コロナ禍の影響により活動が停止しているそうですが、若者の視点を取り入れこれまでにない活動を展開したいと企画政策課の方はおっしゃっていました。
これからの未来を創るのは私たち若者であることを考えると、若者の声は必要不可欠なものになってきます。
コロナの収束が見えない今だからこそ伝えられることもありますよね。
今後の活動に期待です!
おわりに
東浦町の魅力、伝わりましたでしょうか。
今回、大きく「農業」「環境」「福祉」について取り上げました。どれも私が関心のあるテーマですが、地域の取り組みとして考える機会はなかったので大変勉強になりました。
行政の取り組みを考えると、難しいことをやってそうだとイメージしてしまいますが、東浦町の取り組みは行政の枠を超えた発想を大切にしており、地域に寄り添うことができていると感じました。
本来“クリエイティブ”は誰もが持っているもののはずなのに、行政の人間であるという理由で難しく考えなくても良いはずです。日本で一番お堅いイメージである行政がクリエイティブになれば、必ず世界は変わると思います。
東浦町の魅力、全国に広まって欲しいですね。
基本情報
〈東浦町〉
HP: https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/
●この記事を読んだ人は、こちらの記事も読んでいます。↓↓
「【中山間地域再生×農業×福祉】豊田市大多賀町が地方創生のロールモデルへ。「互いの森プロジェクト」の取り組みとは」