
こんばんは!Mikuです!!
みなさんは、クラシック音楽を聴きに行くことがあるでしょうか。
名古屋の栄にある「宗次ホール」はクラシック音楽の魅力を伝えるべく、年間400回もの公演を開催しているコンサートホールです。
今回は、宗次ホールのオーナーである宗次徳二さん、支配人の野間晴久さんを取材させていただきました。
前編ではクラシック音楽をより身近に感じさせるために、宗次ホールがどのようなコンサートを開催しているのかをお話していきます。
目次
クラシック音楽への関心
現代の若者がよく聴く音楽と言えば、JPOPやKPOP、アイドルグループの音楽が挙げられます。
これらの音楽に関心を寄せるに至り、何等かのきっかけがあったはずです。
クラシック音楽に関心を寄せる若者が少ないのは事実としてありますが、それは、JPOPのように関心を寄せるきっかけが少ないだけなんですよね。
また、クラシック音楽は敷居が高いとよく言われますが、実際そうでもありません。
クラシック音楽の中でもモーツァルトやショパンといった方の名曲はテレビやCMで多く使用されています。
しかし、「この曲の続きが聴いてみたい」「あの作曲家の他の曲を聴いてみたい」といったことを思う人があまりいません。
敷居が高いのではなく、本当に関心を寄せる人が少ないのです。
私は幼少の頃からクラシック音楽が生活の中にあり、自身も演奏をしていたことから非常に馴染み深いものになっています。
しかし、それは日常化されているからこそ感じるものであり、そうでなかったら今の私はクラシック音楽に関心を寄せていなかったことでしょう。
宗次ホールの歩み
創設当初より年間の演奏会開催回数日本一を目指しながら「もっと身近に、もっと人々の生活中にクラシック音楽を」の精神で運営してきた宗次ホール。
これから、宗次ホールの歩みについて説明していきます。
年間500回開催したい
クラシック音楽の魅力を伝えるべく、年間500回はコンサートを開催したいと意気込んでいた宗次さん。
当時は、コンサートを開催し続けていればお客様が会場に足をお運びになる頻度は増えるといった考えを持っていました。
しかし、実際はコンサートを開催すればするほどお客様は減っていきます。
宗次ホールで開催されるコンサートは一人当たり3000円前後です。月に20回もコンサートを開催していても、3000円するコンサートに月何回も行けません。
当時は最低で26人のお客様しか入らない時もあったと言います。
野間さんを支配人に置く理
実は、野間さんは支配人になる前は銀行員として働いていました。
支配人に着任した時、コンサートを開催する度に赤字を出し続けている現状を見て、これはまずいと危機感を覚えます。
銀行員だった野間さんは、採算が合うコンサートを開催しなければならないことに気付き、お客様がホールに足を運んでいただくためにどのような企画をすれば良いだろうかと考えます。
年間500回の開催となると、金銭的な問題に必ず直面します。
公共施設のコンサートは予算が組まれますが、宗次ホールのような民間の営利事業となるとお客様がホールに足を運んでいただかないことには、運営し続けることができません。
宗次ホールには、野間さんのようなノウハウを持つ人がいなければならないのです。
クラシック音楽のファンを生み出す工夫とは
宗次ホールでは、クラシック音楽に関心を持たない人にフォーカスし、クラシック音楽に関心を持っていただくために、これまでのコンサートホールにはない手法を取り入れています。
これらは、年間500回開催するべく考え出した野間さんの発想です。
食事とコンサートのセットプラン
はじめに考えたのが、「ランチ&クラシック」という企画です。
クラシック音楽だけを純粋に聴く人が少ないので、ランチを楽しむついでにクラシック音楽も楽しもう!という発想です。
クラシック音楽が素晴らしいと説明されても、クラシック音楽に関心を持たない人にとってはイメージすることが難しいです。
一方、ランチであれば誰もがイメージできる内容なので、イメージがしやすいですね。
食事とコンサートのセットでも3000円前後の料金になります。
とてもお得です!
団体様鑑賞プランの導入
8名様以上のご利用で団体様プランになり、事前に席を確保することができます。
また、このプランでは、演奏会終演後にステージ上で演奏家の方との記念撮影やお食事後のバックヤード(舞台裏・楽屋)の見学ツアーに参加することもできます。
よく利用される団体様がPTAのお母様たちだそうです。
団体様プラン利用後、気が合ったお母様同士で次のコンサートに足を運ぶ方たちもいらっしゃるとか。
団体様プランを導入してから、年間で450団体も足を運んでいただけるようになったと言います。
団体様プランを利用したことがきっかけで、ホールに足を運ぶようになった方も多いのではないでしょうか。
シニアが好むものを掛け合わせる
次のターゲットはシニアの方たちです。
シニアの方たちが好む内容とクラシック音楽をコラボした企画になります。
これまでの企画では、「写真deクラシック」「俳句deクラシック」「絵手紙deクラシック」を実施してきました。
例えば、「写真deクラシック」では、作品を募集して入選した方の作品をホールのスクリーンに投影します。 自分の作品を見るために、ホールに足を運ぶのです。
クラシック音楽に関心を持たなかった人が、写真を見るためにクラシック音楽を聴き、次のコンサートにも足を運んでいただこうという発想です。
チラシ配りにも工夫を
街中でコンサートのチラシを配っても、素通りする人が多いため、チラシが行き届きません。
そこで、チラシの配り方をひと工夫しました。
それは、「クラシック音楽広め隊」といったボランティアを募り、自分の周りの人たちにチラシを配るといったものです。
友人からいただいたものは、必然的にどんなものか読みますよね。 そこではじめて情報が届くことによって、クラシック音楽に関心を寄せるきっかけを作っています。
宗次ホールの他のコンサートホールにはない企画を知っていただく機会にもなりますね。
演奏者が演奏しに行く
「クラシック音楽届け隊」では、演奏家が商店街等で演奏をしに行きます。こ れは商店街を訪れている人たちが、演奏家に興味を持っていただくことを目的としています。
最初はボランティアとして行っていたそうですが、次第に、うちでも演奏してくれないかと声をかけていただいたり、来年も演奏しに来て欲しいと依頼されたりすることが多くなったそうです。
クラシック音楽のファンを生み出すことで、演奏家の活躍の場も増えるのですね!
おわりに
みなさん、いかがでしたか?
宗次ホールの取り組みを見て、クラシック音楽って気軽に楽しめそう!と思われた方もいるのではないでしょうか。
私は、幼少の頃からクラシック音楽を好んで聴いていますが、クラシック音楽に関心を持たない理由について考える機会はありませんでした。
今回の取材を受け、友人たちが気軽にクラシック音楽を聴いているのは、私の影響もあったのではないかと思います。
私がクラシック音楽について話す機会がなければ、友人たちもクラシック音楽に関心を寄せなかったかもしれません。
何に対しても、関心を持つための“きっかけ”が必要になってくることがわかりました。
今回はコンサートを開催するまでについてお届けしました。後編では、宗次ホールがこだわる“コンサートづくり”についてお話していきます!
お楽しみに!!
基本情報
〈宗次ホール〉
住所:愛知県名古屋市栄4丁目5番地14
TEL:052-265-1715
アクセス:地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車 12番出口より徒歩5分
Twitter:https://twitter.com/munetsuguhall
Instagram:https://www.instagram.com/munetsugu_hall/
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