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文化・工芸・歴史

2021.03.08 202PV

「礼で始まり、礼で終わる」西川流 日本舞踊の魅力とは?

西川流

男性だけが舞台に立つことができる歌舞伎から派生し、そこに女性による舞踊が加わったことが特色とされる「日本舞踊」。日本の伝統芸能のひとつで、今日も日本文化を大きく支えています。今回は日本伝統芸能の魅力に迫るべく、日本舞踊五大流派のひとつを担う「西川流」を訪ねしました!

 

日本舞踊とは

まずは日本舞踊の歴史についてお話し致しますね!

 

歴史

歌舞伎同様、日本舞踊は戦国時代後半に出てきた「かぶきおどり」が初めとされています。ところで皆さん、岩戸伝説というものをご存じですか? 天の岩戸に隠れた天照大神(アマテラスオオミカミ)を外に出そうと天鈿女命(アメノウズメノミコト)が桶のうえで踊ったという有名なお話です。踊り自体はこの神話がルーツです。

「日本舞踊」という呼び名は明治の時代になってから、名古屋にも住んでいた、シェークスピアを日本に紹介した文学博士・坪内逍遥(つぼうちしょうよう)が提唱した呼び名です。

 [引用:名古屋をどりHP ]

 

西川流の歴史

日本舞踊五大流派のひとつと呼ばれ、日本舞踊のなかでは最も古く由緒がある、それが西川流です。創始は元禄時代まで遡ります。初世西川仙蔵は能の囃子方から歌舞伎の鳴物師になり、やがて踊りの振付師に転じ、宗家西川流を創設したそうです。

そこから名古屋西川流が創流されるまでの流れを詳しくお伝えしますね。

四世の時代、高弟であった西川仁蔵が名古屋に渡り、天保12年(1841年)名古屋西川流の家元として初世西川鯉三郎をなのります。当時の江戸は老中水野忠邦の政治改革で芸能人にとって住みにくい場所になっていたことが背景であるかもしれないと西川流のHPには説明されています。

 

四世家元 西川千雅

今回取材にご協力頂き、日本舞踊と隈取りの体験をさせていただいた西川さんを簡単にご紹介致します。

西川流 四世家元 西川千雅さん

初舞台は5歳のときで、名古屋をどりの「ある秋の日」という舞踊劇の子役を演じた。幼少期から高校までインターナショナルスクールに通い、大学もニューヨークの美大に進学し現代美術を学ぶ。演出や脚本を手掛け、演出のみならずマーケティングからトレーニングまでタレントや集団演舞のプロデュースを行う。

その他全国での講習会や舞踊指導はもちろんのこと、日本企業の海外社員トレーニングのための講演や学校での授業を通して幅広く活躍。

 

舞踊体験

まずは踊りのお稽古です。日本舞踊といえばお扇子を持って踊るという印象がありますが、そのお扇子には大きな役割があるのをご存じですか?

 

扇子の持つ意味

日本舞踊のお稽古

日本舞踊のお稽古では、礼に始まり、礼に終わります。そこで用いるのがお扇子です。稽古前後で礼をする際、膝の前に閉じたお扇子を置いてお辞儀をします。このお扇子を置くということには、実は「師匠と自分の間に一線を引く」、つまりお扇子で相手と自分の間に結界線をつくり、師弟関係を示すことで「これから謙虚な姿勢であなたから舞踊を習います」と相手に敬意を払うことになるのです。

私もお扇子を用いて、まず稽古始めの礼を致しました。お扇子の持つ意味を理解して礼をすると大変不思議なもので、西川さんと私の前にある2つのお扇子の間に道ができるといいますか、ひゅうひゅうと風が通っている感じがするのです。このように日常の生活から離れて、改まった心持ちで稽古を始めることができました。

 

舞台の床板

舞台にあがる前に、西川さんが「床を踏み鳴らしてみてください」とおっしゃいました。言われたとおりに、ドンドン、と足を床に落としてみます。その後舞台にあがり、再度同じように床を踏み鳴らしてみると、音の響きがまったく先ほどとは異なるのです。舞台の床はより高い音でとても響きがよく、音が部屋の隅々にまで響き渡っていくのを感じることができます。

これは舞台の床板の下は空洞となっており、その理由として舞台での音の演出はもちろん、舞台で舞踊をする役者の足を守るためでもあるのです。例えばコンクリートの上よりも、トランポリンの上で足を踏みならすほうが余程足への衝撃を感じませんよね。舞台の床板にはそういった役者への配慮が隠されています。

 

動き

日本舞踊の基本の動き、すり足。かかとを床から離さずに滑らせて動きます。慣れてない移動の仕方なので、私はなかなか苦戦しました… このすり足で動く際に要点となるのが、重心の位置です。この重心が適切な場所にかかっているかで、動きの安定具合が変わってきます。動くときには腰を落とすのですが、このようなことからみても日本舞踊の重心は下にあることが分かりますよね。

 

また動きの軸について、現代と昔、西洋と日本古来で違いがあると西川さんはおっしゃいます。例えば西洋のモデル歩きというものは、1つの軸があり、腰をうねらせて動きます。対して昔の日本人の動きには軸が左右に2つあって、いわゆる骨盤や肩をねじらない二軸歩行で動いているのです。こうすることで、負担もなく効率よく動くことができると言います。

このような動きの稽古の後、西川さんの動きを真似て実際踊りをしてみたのですが、やはり西川さんは一つ一つの動きが丁寧でしっかりしていらっしゃいます。それも重心が安定しており、軸が通っているからなのでしょう。

日本舞踊のお稽古

日本舞踊のお稽古

すべてのお稽古が終わった後、再度西川さんは上手(かみて)、私は下手(しもて)で正座をし、扇子を膝の前に置きます。そしてお辞儀をし、お稽古はこれにて終了です。

日本舞踊のお稽古

 

隈取体験

次は隈取体験です!隈取というのは、俗にいう歌舞伎メイクです。小学高学年から歌舞伎が好きであった私は、当時からいつか隈取をしてみたいと願い続け、ついに19歳にして初の隈取です。

隈取体験

隈取体験

今回は「むきみ隈」と「一本隈」の二種を体験させて頂きました。隈取には種類ごとに役柄が決められています。「むきみ隈」は若々しく色気があり正義感にあふれた役。「一本隈」は頼れる力強さがありながらやんちゃな性格の役。他にも様々な隈があるので、ぜひ興味を持った方は調べてみてくださいね。

隈取体験

 

日本伝統芸能

これまで私は歌舞伎やシネマ歌舞伎を何度も見にいったことがあり、日本の伝統芸能の魅力については理解していると思っていました。ですが今回実際に日本舞踊のしきたりや踊りを体験することで、小道具や動きの裏に隠れた日本の伝統文化や伝統精神を実感し、日本の伝統の奥深さに肌で触れることができました。

そこで改めて私が考えた日本の伝統芸能の魅力について、少しお話しさせてください。これらの魅力はやはり所作の美しさや上品さにあるのではないでしょうか。伝統文化そのものに触れたいというだけでなく、姿勢を良くしたい、礼儀作法を身につけたいといった理由で日本舞踊を習う人も多いですよね。また古くから受け継がれてきた日本文化に触れることで、日本人の伝統精神を感じたり、昔の生活を想像したりすることができるのも魅力のひとつであると私は思います。

今日まで受け継がれてきた日本の伝統を、今後日本にとどまらず、世界中に積極的に伝えていきたいですね。

隈取体験

西川流HP:http://www.nishikawa-ryu.com/

名古屋をどりHP:https://www.nishikawa-ryu.com/nagoyawodori72/

 

 

この記事を書いた人

nog.

nog.

南山大学外国語学部ドイツ学科

2001年佐賀県生まれ。高校在学中に1年間のドイツ留学を経験。幼い頃から歌舞伎に興味を持ち、その他芸術活動に取り組む。現在は「共生」を軸に活動中。