
こんにちは!
前回はNPOおたがいさま会議の取り組みについて紹介しました。
今回は、実際におたがいさま会議に参加してきたので、その様子や感想を報告します!
この日のNPOおたがいさま会議
NPOおたがいさま会議では、毎月テーマを決めて実施しており、そのテーマに沿ったゲストを迎え、みんなで考えていきます。3月のテーマは『過去の課題提案者の「その後」』でした。
私が参加した35回の会議では、外国人支援を取り扱っており、多文化共生の実現に向けた活動を行っているNPO法人の代表理事を務める土井佳彦さんがゲストでした。今回は、2団体の「その後」とそこから発展した団体の取り組みについて報告しています。
過去の課題提案
1つ目は、名古屋市天白区に位置する相生山徳林寺です。
コロナ禍において、徳林寺は、渡航制限により、母国に帰国できない外国人の方々に住居や食料を提供しています。
困りごととして、生活物資の不足や帰国するまでの就労の場がないこと、外部の接触を避けるために身動きが取れずストレスが溜まっている等々が挙げられていました。
2つ目は、豊田市に位置するブラジル人学校のエスコーラ・ネクターです。
コロナ禍において、ネクターは、保護者が職を失ったことで食事に困っている子どもたちに給食の無償提供や食料配布を行っています。
困りごととして、不十分な教育や給食費や教材費の負担が困難であることが挙げられていました。
マッチングしたその後
様々な支援団体が生活物資を提供することで、徳林寺の困りごとは解決されました。それだけでなく、大学生ボランティアの訪問により、オンラインでの交流を深めており、日本語を教えてもらったりしているそうです。お正月には、日本とベトナムの正月料理を一緒に作るなどしており、楽しく過ごされていました。
また、ネクターでは、校長先生がチャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞を受賞され、今後のブラジル人学校に興味を持ってもらう機会になりました。さらに、JICA中部からの申し入れにより、充実した日本語教育の確保ができるようになり、現在、海外で日本語教育の経験を積んだ有資格者3名がネクターで指導しているそうです。
以上がニーズと社会資源をマッチングしたその後の内容になっております。
報告後は、ブレイクアウトルームにわかれ、お互いの意見を聞き合いました。
繋がることの意味
NPOおたがいさま会議に参加し、驚いたことがあります。
それは、様々な繋がりによって困りごとが解決されることです。
支援団体同士の繋がり
まず、支援団体同士の繋がりを強く感じました。困りごとに対して支援団体を募るというよりかは、支援団体が支援団体を紹介する形でマッチングが進められていました。
人との繋がりが新たな挑戦を支えるのと同じように、支援団体同士の繋がりにも困りごとを支え合う力があります。困った時に手を差し伸べたりする他者との結びつきは、支援においても一緒なのですね。
私がNPOおたがいさま会議のことを知ったきっかけも、この会議で私たちの活動を紹介して下さった企業さんがいたからでしたね。
困りごと同士の繋がり
徳林寺では、訪日観光客が激減し経営困難な民泊業者と連携し、外国人の受け入れ先を増やそうと新たな取り組みが提案されています。
このお話を聞いた時、クリエイティブな発想だなと感じました。まさか困りごと同士をマッチングさせるなんて思わなかったからです。困りごと同士から生まれる課題解決のあり方は、コロナ禍を乗り切るために必要になってくるかもしれませんね。
自分の現場実践においても、「困りごと」×「困りごと」の考え方を使ってみようと思います。
おわりに
今回、NPOおたがいさま会議に参加しながら取材をさせていただき、課題解決における「連携」、そのための「繋がり」は重要であると感じました。NPOおたがいさま会議は、様々な支援団体が出会う場所でもあります。コロナ禍における困りごとでなくても、いざとなった時に頼れる支援団体の存在を知っていることは、安心できますね。
愛知県では、このようにコロナ禍での課題を共有し、解決に向けて話し合う場があります。福祉従事者だけでなく、企業や法人、学生の方にも知ってもらいたいです。
そして、このNPOおたがいさま会議の取り組みを他の都道府県でも拡大させ、コロナ禍における現状を公的機関に届けることができますように。
基本情報
〈NPOおたがいさま会議〉
毎週火曜16:00~17:00、Zoomで開催
事務局:認定NPO法人レスキューストックヤード、一般社団法人日本福祉協議機構
協力:愛知県、名古屋市、愛知県社会福祉協議会、名古屋市社会福祉協議会
HP:https://otagaisama-aichi.xxxx.jp/about/