
こんばんは!福祉学生ライターのMikuです!!
“福祉学生ライター”という肩書きが定着してきたので、今回から名乗っていこうと思います。
最近、“地方創生”という言葉をよく聞きますよね。“地方創生”とは、少子高齢化の進展に伴い、それぞれの地域で住みよい環境を整え、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すものです。
また、若者の間でも“農業”に関心を寄せている人が増えています。地方創生とどのような繋がりがあるのでしょうか。
今回は、4月に取材させていただいた「日本福祉協議機構」が豊田市大多賀町と協働で実施している「互いの森プロジェクト」について紹介します!!
目次
「中山間地域再生×農業×福祉」が何を創造するのか
福祉×○○。
福祉と何かを掛け合わせることで、利用者の可能性を導き出すことができます。
今回は、「中山間地域再生×農業×福祉」。福祉と地域の課題を掛け合わせることで、両方の課題解決に繋げます。
障がい者の活躍の場を創出する
福祉が抱える課題のひとつに、“就労し続けることの難しさ”があります。
理由としては、生活できる工賃を稼げないことによる意欲低下や継続的に働き続ける集中力の欠如が挙げられます。
そのため、多くの事業所がこれらの課題を解決するために、利用者に楽しくやりがいを持って夢中になれる仕事を提供するために試行錯誤しているのです。
互いの森プロジェクトは、利用者に“農業”を提供することで自然と触れ合いながら活躍できる場を創出していきます。
自然の中に身を置くことは、身体的にも精神的にもプラスの効果を得ることができるという点から、農業を福祉事業のサービスとして提供する法人は増えてきていますね。
都会の雑踏やスピード感が苦手な利用者が落ち着いて過ごすこともメリットとしてあります。
障がいがある人は、優れた能力を持ちながらも現代社会では発揮できずに就労に活かすことが困難な場合が多く、中山間地域への貢献度は非常に高いと言えます。
中山間地域を再生する
地域が抱える課題としては、後継者不足が挙げられます。
かつては、自分たちの土地は自分たちで守るといった農家さんが多かったそうです。しかし、ご高齢になり、体を動かすことができないとなるとそうは言ってられません。
そこで、障がい者を活躍の場として耕作放棄地を稼働させることで、地域の経済が潤う仕組みを作ることができます。
また、大多賀町は、かつて運営されていた旅館が残っており、その建物を農地で収穫した食材を使用したカフェを運営しようという計画もあります。
高齢化によって手放された土地を障がい者が稼働させることによって、活力ある地域に再生させるのです。
「共存共栄」でソーシャルインパクトを残す
互いの森プロジェクトのテーマは“共存共栄”を根差したソーシャルインパクトを残すことです。
自然豊かな土地は、高齢化によるマンパワーの現象により美しい田畑は雑木林に。
障がいがある人は、本来持っている強みや才能を発揮できないことで、自分らしく働くことができない。
この両者の課題、なんだか似ていませんか?
課題と課題を掛け合わせることは、それぞれの弱みを補い合うことができると言われるように、互いの森プロジェクトでも地域と福祉の課題をコラボレーションすることで、新しい価値の創出を目指しています。
観光地による集客から社会課題について考える
地域の課題解決と障がい者の雇用創出のために農業を展開している互いの森プロジェクトですが、ゆくゆくは大多賀町を商業エリアとして観光化していきたいと話していました。
自然豊かな中山間地域の魅力を活かしながら、使用されなくなった土地をグランピング施設や宿泊施設にすることで、都市から人が集まるような観光地を生み出す自然保護型ビジネスを生み出します。
大多賀町の隣には香嵐渓で有名な足助町もありますし、集客が見込めそうですね。
大多賀町に来た人たちは、自然の中で楽しむことだけでなく、彼らの働いている姿を見ることで福祉を知る機会にも繋がります。
農福「学」連携を目指し、次世代へ繋げる
互いの森プロジェクトは農福連携だけでなく、農福「学」連携の構築を目指しており、高校生や大学生にもプロジェクトを一緒に取り組んでいいただくことで、福祉や社会課題について考える機会を提供します。
例えば、現存する自然豊かな環境を活用して日本福祉協議機構の利用者と一緒に農業や林業を体験できるプログラムを作り、地方創生の理解に繋げます。
また、インターンシップという形で1週間ほど宿泊しながら体験できるように整えていくということも考えているそうです。
地域と関わる仕事といっても、まちづくりや都市開発だけではありません。
制度や支援の仕組みを作ったり、地方でビジネスを立ち上げたりするなど、地域との関わり方は多種多様です。
インターンシップを通して、“福祉×○○”のように、“地域×○○”を考えてみるのも面白そうですね!
おわりに
みなさん、どうでしたか?
福祉現場の“支援”という仕事は、介護や就労だけではありません。
支援者は、利用者の“やりがい”や“人との繋がり”においても支援する必要があります。
日本福祉協議機構の取り組みは、利用者にやりがいや人との繋がりを提供することで社会課題の解決にも繋げており、本当に面白いですし魅力的です。
日本福祉協議機構のように、利用者が社会に貢献できるような支援ができる事業所が増えたら素敵ですね。
互いの森プロジェクトは、後に農業法人「アペロ・ファーム」として展開していくそうです。
これについては、またの機会に取り上げていきます!
福祉学生ライターのMikuでした!
基本情報
〈一般社団法人日本福祉協議機構〉
住所:愛知県名古屋市天白区井の森町232-1アイコービル
TEL:052-715-9666
アクセス:名鉄「桜」駅から徒歩20分
☆互いの森プロジェクト 実施場所
住所:愛知県豊田市大多賀町三浦10
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