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2021.05.16 2,471PV

映画のつくり方②製作委員会について

映画つくり

前回の記事で僕は、「プロデューサー=「ヒト」「モノ」「カネ」を集められる人」と定義しました。

プロデューサーとは、ゴールから逆算してプロジェクトの計画が立てられる人です。

 

目次

プロデューサー感覚を身につけよう!

学校を卒業して、たとえば制作会社(制作会社でなくても良いのですが)に就職した場合、まずは徒弟制度に放り込まれ、「歯車」として扱われます。

パワハラ・セクハラ撲滅、コンプライアンス遵守が叫ばれる昨今、だいぶマイルドになったとは思いますが、それでも働き方が合理的に改善されるには、まだまだ時間を必要とするでしょう。

夢を持って会社に入ったのに、大半の人がぶつかるのが、「なんで、自分のやりたいことをやらせてもらえないんだろう」そして「どうも働いていなさそうなのに、高い給料をもらっているオジサンたちがいるぞ」という疑問です。

ここで心病んで、早々に辞めていく人もいるのではないでしょうか。

僕が伝えたいのは、新入社員のときからプロデューサー感覚で仕事を見つめることです。

「全体」が意識できてたら強いからです。

 

「今自分がしていることは、全体にとってどういう役割を担っているのか」を把握できたら、将来「全体」を司るために、今はあえて「歯車」でいてやろう、と思えます。

 

歯車扱いされて腐ってしまったり、あきらめたりせず「いや、今は歯車だけど、いつか全体を司るために、あえて歯車になってノウハウを吸収してやろう。そして全体を作る側に回るぞ」と思えるか。極端に言えば、将来会社を辞めて独立する気構えで、確信犯的に「歯車」を演じたって良いと思います。

 

このお話を、映画をつくるための「全体」というテーマにスライドします。

 

映画製作に必要なヒト・モノ・カネ

映画製作というプロジェクトを遂行するために、「ヒト」「モノ」「カネ」を集める必要があります。

ヒト・モノ・カネを集めて「製作委員会」を組成するケースもあります。

前回の記事で語った「道具を準備して、型にハマったやり方で映画の完成を目指す方法」です。

その製作委員会の中身について見ていきましょう。

 

まずは「ヒト」

脚本、監督、カメラ、照明など制作スキルを持っているヒト、主演、助演、エキストラなど出演してくれるヒト、宣伝力、営業力、組み立て力を持っているヒト、そして、お金を集められるヒト…などなど、「映画作ろうぜ!」の声に集まってくる「仲間」たちです。

 

次に「モノ」

カメラ、音声、照明、スタジオ、編集機器、ロケ地など文字通りモノですね。

ただ、もっと大事なのはこういった有形のモノだけでなく、集まってくれたヒトが持っているリソースです。リソースというのはそのヒトの資産、解決能力というような意味合いです。脚本を書き上げる創作力、役者さんを口説くキャスティング能力、お金を稼ぐ営業力、関係各所のバランスや対外関係を調整する能力などです。

それぞれが、それぞれの分野で力を発揮しあって、チームの能力を最大に持っていけるほど良いチームになります。

 

最後に「カネ」

これはもうそのものズバリ!、制作、宣伝、配給のために必要な費用です。

このカネを集める能力が、ある意味一番大切です。

映画をつくるための熱意を語り、「精神的に」仲間になってくれるヒトは見つけられても、命の次に大切なお金を「物理的に」出してもらう作業は相当骨が折れます。出してくれたお金を減らしてしまったり、ときには全額失わせてしまうこともありますから。

製作委員会というのは、言ってみれば運命共同体の割り勘チーム。

映画製作に必要なお金をみんなで出し合い、リスクを分散します。

例えば総製作費5,000万円の映画を作るとして、1人で全額出したとすると、もし映画がコケてしまったら、その5,000万円分のリスクは1人で背負わなければならなくなります。

しかし、1人1,000万円ずつ5人で出し合ったとしたら、もし映画がコケたとしても1人あたりのリスクの上限は1,000万円になります。

さらに、5人それぞれのリソースを活かしあえたら、映画が成功する可能性も高くなりますよね。

 

これが「製作委員会」の特性です。

 

製作委員会=パワーは倍増、リスクは分散

 

制作費とP&A費

総製作費というのは、「制作費」と「P&A費」の2階建てになっています。

 

「制作費」とは

これは文字通り映画を制作する費用です。キャストの出演費、脚本、監督のギャラ、カメラマン、音声、照明など関わる人たちの人件費、移動費、食費などなどです。

 

「P&A費」とは

Pはプリントつまりフィルムをプリントする費用のことです。

映画というのは、上映してくれる映画館の数だけフィルムを必要としていました。100館同時公開なら100本のフィルムが必要だったのです。

最近はフィルムではなく、DCP(デジタルシネマパッケージ)が主流ですが。

 

Aはアドバタイズ、宣伝費のことです。

ポスター、チラシ、HP、SNS、規模が大きな映画はTVスポットCMなども含まれます。

 

製作委員会にはどんな顔ぶれのメンバーを集めたらよいでしょう。

次回は製作委員会のメンバー集めについてお話します。

(つづく)

この記事を書いた人

竹田太郎

竹田太郎

株式会社フォワードインターナショナル 代表取締役