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2021.07.26 902PV

「マーケティング」③ 市場は何を求めているか「4P分析」、「マーケットイン」と「プロダクトアウト」

マーケティング

前回、マーケティング的な思考方法を身につけるための方法の一つとして、「STP」という思考法をご紹介しました。

その記事はこちら。「「マーケティング」②市場は何を求めているか「STP」」

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「市場は何を求めているか」を知ることが重要ということで、「起業(企業)の失敗」は、この「市場は何を求めているか」を無視して作りたいものを作ってしまうことが原因なので、それを防ぐために「S」セグメンテーション⇔「T」ターゲティング⇔「P」ポジショニングという思考方法を順繰りに検討することが大切だと。

今回は、「STP」と同じく基本的なマーケティング的思考法である「4P分析」についてと、「市場は何を求めているか」を無視して作りたいものを作ってしまったのに大ヒットを飛ばしてしまった例をご紹介します。

 

目次

4P分析とは

4Pとは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促活動)の頭文字を取ったものです。

4P分析は、前回ご紹介したSTP分析で立案した戦略を施策として具体化する際に用いられます。

それでは一つずつ見ていきましょう。

 

 

Product=商品(何を売るか)

「顧客はどんなものを求めているか」を把握します。

自分の持っているリソースで顧客の「ニーズとウォンツ」を満たすような製品やサービスが開発できるかを検討します。

その記事はこちら。「「マーケティング」①「ニーズ」と「ウォンツ」」

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Price=価格(いくらで売るか)

 「利益」「需要」「競合」の3つの側面から検討します。

「利益」=「価格=原価+利益」という価格設定の基本的な考え方を用いて、どのくらい利益を残すかをシミュレーションします。

「需要」=市場の「この商品はいくらぐらいが妥当か」という感覚を踏まえながら、どのようなブランディングをしていくのかを決めていきます。

低価格×高回転なのか、高価格×低回転なのか、高価格×高回転なのか…などです。

「競合」=同じ市場にどのような競合がいるのかを把握し、価格で勝負するのか、価格以外で勝負するのかなどを検討していきます。

 

Place=流通(どこで売るか(販売場所・提供方法))

上記のような検討方法で商品と価格を決めたなら、自分が求める回転率を満たすにはどういう立地でどのような提供方法を取ればよいかを検討します。

店舗をかまえて人を雇うのか、ネット上にECサイトをオープンするのかなどです。

 

Promotion=広告・宣伝(どうやって知ってもらうか)

商品を開発したならばそれを広く知ってもらわないと意味がありません。

自社の商品の強みや他社との違いを、どのような媒体を使って訴求するのかを決めていきます。

ターゲットに届きやすいように使用する媒体を決めるのですが、かつてはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌という、いわゆる4媒体といわれたマス広告が主流でしたが、現代の生活スタイルに合わせ下記のようなプロモーション手法も取られるようになってきました。

 

・ブロガーによる拡散

・SNSを使ったクーポン配布

・特定の言葉をつぶやいている人に向けたTwitter広告

・特定の場所に住んでいる人に向けたFacebook広告

ここで話は打って変わって、「市場は何を求めているか」を無視して作りたいものを作ってしまったのに大ヒットを飛ばしてしまった例をご紹介します。

 

「マーケットイン」という考え方

マーケットインとは、マーケット(市場)から考え、顧客の声を聞いてものを作っていくという考え方で、マーケティングの基本中の基本です。

 

しかし…顧客の声は万能ではないという事実もあります。

 

ex) iPhone(スマホ)が初めて登場したとき、日本では顧客の「ボタン操作が使いづらい」という声が多かった。日本メーカーはその顧客の声を聞き入れて、従来の携帯を提供し続けた。その結果、ガラパゴス化し世界の潮流に乗り遅れることになってしまった…。

 

教訓:顧客の声を汲み取ろうとすると間違った方向に行くことがある。

 

「プロダクトアウト」という考え方

今現在、マーケットが求めているものは気にせず、作り手が本気で欲しい物を生み出し、マーケット(市場)に提供するという考え方です。

 

作り手側の

「顧客は新しいものの価値がわからない」

…という考え方

「良いものは受け入れられる」

…という確固たる自信

 

スティーブ・ジョブズはマーケティングが嫌いだった?

「市場は何を求めているか」を無視して作りたいものを作ってしまったのに大ヒットを飛ばしてしまった例、それはスティーブ・ジョブズが開発した「iPhone」なのです。

 

ジョブズの姿勢は、まずは圧倒的なこだわりを持って良いものを作る、そして、自分にしか見えていない「未来の当たり前」を作っていくというものです。

iPhoneが世の中に提供される前、顧客側はこのような機器を自分たちが欲しているという欲求に気づかなかったはずです。

ジョブズだけが見据えていた「未来の当たり前」が目の前に供されたとき、市場は初めてiPhoneを欲していたことに気づき、iPhoneが存在することによって描ける未来に気づいたのです。

その後もアップルは、自社製品に惚れてくれる(分かってくれる)顧客とコミュニケーションをとっていくことで、サポート、サービスを拡充し、顧客を囲い込んでいくというマーケティング手法を取り続けています。

 

「マーケティングが売り込みを不要にしてくれる」(ドラッカー)

 

まとめ

顧客が本当に欲しい物がわからないという前提に立つなら、顧客の声を聞いて製品を提供する「4P」は古いのでしょうか?

作り手がこだわった製品を提供して、顧客を仲間に取り込む手法のほうが優れているのでしょうか?

 

実際には…

AIやビッグデータが進化したおかげで「4P」が見直されているのです。

考えられないくらいの膨大なデータから人工知能が顧客のニーズを解析し、最適な4Pを割り出すことができるようになってきたからです。

 

結局は…

「4P」「マーケットイン」「プロダクトアウト」の多方向からバランス良く考えることが重要なのです。

 

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この記事を書いた人

竹田太郎

竹田太郎

株式会社フォワードインターナショナル 代表取締役