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2021.06.20 915PV

「マーケティング」②市場は何を求めているか「STP」

マーケティング

目次

マーケティングの基本をいくつか

前回、マーケティングとは「人を喜ばせてお金を儲けること」であり、そのために「ニーズ」と「ウォンツ」について知ること、現代は「マーケティング4.0」の時代に突入していて消費者の自己実現欲求を満たすことがカギになる、ということをお話しました。

要するに、「市場は何を求めているか」を知ることが重要ということです。

「起業(企業)の失敗」は、この「市場は何を求めているか」を無視して作りたいものを作ってしまうことが原因と言われています。(次回、この逆の例もご紹介しますので、このフレーズを覚えておいてください)

では、具体的にどういう思考方法をとればよいのでしょう。

マーケティング的な思考方法を身につけるための方法をいくつかご紹介します。

 

STP

まず、「STP」というマーケティング手法について説明します。

「STP」とは次のような言葉の頭文字をとったものです。

S=セグメンテーション

T=ターゲティング

P=ポジショニング

 

「S」はセグメンテーション(区分)

市場を「年齢」「性別」「地域」「購買行動」など、さまざまな切り口で分類し、同質のニーズを持つ顧客ごとに細かく分類して、自社にとって意味のある層の特定を行います。

例えば、腕時計の市場って、数百円で買えるものから数千万円するものまで、とてつもなく市場の幅が広いのはご存知のとおりです。

ただ時間を知るためだけの道具である腕時計。数百円の時計でも、数千万円の時計でも「今は午後9時だな」と知るための役割はまったく変わりません。

でも、数千万円の腕時計を買う層が存在するのです。それも何本も!

実際に僕の出会った人の中に「この時計4,000万円」と、今している腕時計を見せながら値段を教えてくれた方がいました。

「この人、腕に家一軒はめてるわ…」と思ったことがあります。(4,000万円あれば、家一軒じゅうぶん買えますもんね)

数百円の腕時計で良しとする層はどういう地域のどういう年齢層なのか?そしてその母数はどれくらいいるのか?

逆に、腕時計に数千万円を使える人は、どういう職業でどういう購買行動をするのか?などを区切って分類するのが「S=セグメンテーション」です。

 

「T」はターゲティング

どのセグメントにアプローチするか決めて、そのセグメントのお客さんとどうやって信頼関係を作るのかを考えます。

先ほどのセグメントの結果、仮に数百円の腕時計の市場に顧客の母数がたくさんいて、数千万円の腕時計の市場にはゼロではないけど少しは顧客が存在することが分かったとします。

その場合、「単価は安くても、買ってくれる人がたくさんいるのだからこの市場を狙おう」という判断もありですし、「買ってくれる人は少なくても、一つ売れたら数千万円なのだからこの市場を狙おう」という判断もありです。

そうやってターゲティングしたら、お金やヒト、モノといった経営資源を有効かつ効果的に投入して、そのセグメントのお客さんとの信頼関係を作る努力をします。

 

「P」はポジショニング

ターゲットに対し、自社の製品やサービスの明確な差別化を図ります。

腕時計の場合、時間さえわかれば良いのだから他社より魅力がなければ当然負けますし、同等だったら価格の安いほうが選ばれてしまいます。

例えば「安いけど買ってくれる人がたくさんいる市場」を選んだ場合、「ネオンカラーを中心としたカラーが100種類、盤面のパターンも100種類以上、組み合わせは1,000通り!」など種類の豊富さで勝負するという手があります。

「買ってくれる人は少ないけど、一つ売れたら数千万円」を選んだ場合、「すべてのパーツ作りから組み立てまで、スイスの熟練の職人が手作業で行います。手作りなのに、月の秒差は±1秒以内。同じモデルはこの世に一つとして存在せず、シリアルナンバー入り!」というようにステイタス、稀少感を打ち出し、富裕層の所有欲を刺激します。

顧客に「自社と他社の商品に意味がある差があることが認知されること」と「自社の強みが説明しやすいこと」など、自社の商品にどのような利点があるかを認識してもらい、顧客にどのように認知されたいのかを明確化することが重要となります。(つづく)

 

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この記事を書いた人

竹田太郎

竹田太郎

株式会社フォワードインターナショナル 代表取締役